daitetsuでございますですよ。

きょうは木曜日。
週末の野球観戦に向けての、ちょっとしたネタが書ければと思っております。
今週は、なかなか負けない、パ・リーグのあのチームの開幕ダッシュについて。
…いや、自分にとっての一番は別にあるんですけど、パ・リーグは「共存共栄」でないとやっていけないので。それではどうぞ。

開幕8連勝、そして現時点での敗戦はおととい、きのうと 千葉ロッテマリーンズ に喫した2つのみと、上々のダッシュに成功した埼玉西武ライオンズ。
昨季もリーグ2位と久々にいいところを見せたが、今このチームは何が面白いのか。
いろいろな角度から見ていきたい。

現在の戦力

基本的には昨季の主力がそのままと考えてよい。
昨年との違いは次の通り。

主な流出選手

牧田和久(→サンディエゴ・パドレス、FA)
野上亮磨(→讀賣ジャイアンツ、FA)
ブライアン・シュリッター(→ロサンゼルス・ドジャース(マイナー))

ここ10年の西武は、帆足和幸(現ソフトバンク打撃投手)、許銘傑(現西武コーチ)、片岡治大(現巨人コーチ)、 涌井秀章 (現ロッテ)、 岸孝之 (現楽天)と、FAで主力選手を失うケースがけっこうある。つまり昨季は先発ローテーションから岸がいなくなった状態でCSに進出したわけだ。恐れ入る。そして昨オフも2人の主力投手をFAで失った。シュリッターも中継ぎとして機能していただけに痛い。

主な加入選手

松井稼頭央(←東北楽天ゴールデンイーグルス)
高木勇人(←讀賣ジャイアンツ、野上の人的補償)
榎田大樹(←阪神タイガース)
ファビオ・カスティーヨ(←ロサンゼルス・ドジャース(マイナー))
伊藤翔(←徳島インディゴソックス、ドラフト3位)

ファンにとってまず朗報なのは松井の帰還だろう。すでに42歳なので戦力としては正直未知数だが、若い今のチームにはこの上ない精神的支柱になるだろう。先発ローテーションで投げていた野上を失った西武だが、代わりに高木勇を人的補償に獲得したのはまずまず。現在はリリーバーとして起用されている。榎田以下の3人は全員投手。特に左腕の榎田には定着して欲しいところだろう。先発の頭数的には苦しい現チームの救世主となれるか。

現状

といっても、まだ対戦相手が1回りもしていないのでスタッツもへったくれもないわけなのだが、昨季ベースで考えるとおおよそ以下のようなことがいえる。これが今の西武の面白さと言い換えてもよいと思う。

投手

右のエース 多和田真三郎 、左のエース 菊池雄星 はともに2連勝と好調。 ブライアン・ウルフ も2連勝で、この3人は先発で計算できそうだ。が、ローテーション要員は正直充実しているとはいい難い状況だ。 高橋光成 の不在が痛い。 十亀剣 、カスティーヨは辻発彦監督の信頼を勝ち取りたいところ。
ブルペン勢は、クローザー増田達至は昨季同様よさそうだが、セットアッパーはまだ固まっていないのかなという印象。高木勇になるのか、 武隈祥太 になるのか。一応頭数はいるが、先発の層が薄いため大きく負荷がかかるのは避けられそうにない。どうやりくりしていくかは見ものとなる。

野手

昨季躍進した要因は、打線の破壊力が格段に増したことと考えてよいだろう。今季もここまでは健在。昨季の打線を担った 秋山翔吾 山川穂高 外崎修汰 は今季も打ちまくるだろう。 森友哉 がここまで好調なのも大きい。 浅村栄斗 源田壮亮 も試合とともに数字を上げてくるだろうし、そもそも 中村剛也 が6番、 エルネスト・メヒア が8番というのは怖い。ライバルチームのファンとしては、実に恐ろしい限りだ。
機動力もまずまずだが、現時点では外崎以外は盗塁成功数が伸びていない。秋山、源田、 金子侑司 あたりも走り出すと、こちらも手を付けられなくなる可能性がある。

選手以外のこと

選手以外で目につく点も書いてみたい。

IT戦略室

昨オフに新設された部署である。ITを導入することによって裏方の仕事を効率化させることと、昨季から日本でも各球団に導入された(NPBで現在導入していないのは広島のみ)トラックマンのような、ITと結びつくことによって野球を進化させる技術や道具を探すことが目的とのこと。スポーツの「IT化」は野球に限った話ではないが、NPBもようやくその流れに乗り始めたようだ。どのような成果として実を結ぶか、非常に楽しみである。

本拠地のリニューアル

ライオンズが所沢に本拠を移して、今年で40年となる。その記念事業として行われているのが、本拠地のリニューアル、さらに詳しくいうと、メットライフドーム、そして西武第二球場を始めとするファーム施設の大改修である。これに投じるお金は180億円。
目的は、集客能力ならびに育成能力の強化である。特にメットライフドームの改修の先には「ボールパーク化」というビジョンがある。現在NPBの本拠地球場で「ボールパーク」として機能しているのはおそらく東京ドームのみだが、近年楽天生命パーク宮城が急速にこの域に近づきつつあるのを始め、横浜スタジアム、 北海道日本ハムファイターズ が北広島に建設予定の新球場も「ボールパーク」を目指しているスタジアムで、これはトレンドといってもよいことである。「遊びついでに野球も観てね」ということである。西武がどのようなボールパークを所沢に作るのかは、注視したいところだ。

きょうも西武はロッテに快勝した。さすがに簡単にスイープさせてはもらえない。今の西武は強い。こんなチームに、どうやったらもっと勝てるんだろう…